
交通事故に遭った際、治療を受けるためには保険会社とのやり取りが欠かせません.
その中で、多くの被害者が直面するのが「保険会社から求められる同意書」の問題です。
この同意書にどのように対応すべきか、またサインをする際の注意点について詳しく解説します。
1. 保険会社が求める「同意書」とは?

交通事故後、治療費を保険会社に請求する場合、保険会社は被害者に対して「同意書」への署名を求めることがあります。
この同意書には、主に以下のような内容が含まれます。
- 治療内容や診療情報の提供に関する同意
- 保険会社が医療機関と直接やり取りするための許可
- 示談交渉の一環として治療費の管理をするための同意
一見すると、スムーズに治療費を支払ってもらうために必要な手続きのように思えますが、実は慎重に対応しなければならないポイントがいくつかあります。
2. 同意書を求められたときの対応方法

保険会社から同意書を求められた場合、すぐにサインをするのではなく、以下の手順を踏んで対応しましょう。
① 内容をよく確認する

まず、同意書の内容をじっくりと確認してください。特に以下の点に注意が必要です。
- どの情報を保険会社が取得できるのか(診療内容や通院状況など)
- どの範囲まで情報が開示されるのか(すべての治療履歴が共有されるのか)
- 示談交渉にどのような影響を及ぼす可能性があるのか
もし不明点があれば、保険会社の担当者に質問したり、専門家に相談することが重要です。
② むやみにサインしない
同意書に記載されている内容によっては、被害者にとって不利に働く可能性があります。例えば、
- 治療期間の制限がかかる
- 事故とは無関係な既往症の情報まで開示される
- 示談交渉の際に不利な立場に立たされる
そのため、「とりあえずサインしておこう」と安易に考えるのは避けましょう。
③ 必要ならば修正を依頼する
同意書の内容に問題がある場合は、そのままサインせずに修正を依頼できます。
- 開示範囲を限定する(治療に関する情報のみ)
- 示談交渉とは切り離す(医療情報のみの開示)
- 不明確な点を明記する(治療費の支払いに関する条件など)
保険会社に修正を依頼することで、より納得のいく形で同意をすることが可能になります。
3. 保険会社の同意書に関するよくあるトラブル

交通事故の治療において、保険会社とのやり取りで生じやすいトラブルについても知っておきましょう。
トラブル① 治療が早期に打ち切られる
同意書に「治療の期間を制限する」ような内容が含まれていると、まだ痛みがあるにもかかわらず、保険会社が治療費の支払いを拒否することがあります。
対応策:
- 「治療期間の制限」を避けるための文言を確認
- 担当医師の診断書を取得し、継続治療の必要性を証明する
トラブル② 不必要な情報が開示される
同意書によって、事故とは無関係な既往症や健康状態まで保険会社に開示される場合があります。
対応策:
- 診療情報の開示範囲を限定するように交渉
- 必要に応じて弁護士や専門家に相談する
トラブル③ 示談交渉に影響を与える
保険会社が取得した情報をもとに、「この程度のケガなら示談金を減額できる」と主張するケースもあります。
対応策:
- 保険会社の対応に不安がある場合は弁護士に相談
- 示談交渉を急がないように注意する
4. まとめ:同意書のサインは慎重に!

交通事故の治療を受ける際、保険会社から求められる同意書には慎重に対応することが大切です。
- 内容をよく確認する(治療内容、情報開示範囲、影響を把握する)
- むやみにサインしない(不利な条件が含まれていないか確認する)
- 必要なら修正を依頼する(開示範囲の制限や条件の変更を求める)
もし少しでも不安がある場合は、弁護士や交通事故専門の相談窓口に問い合わせることをおすすめします。
適切な対応をすることで、安心して治療を受けることができるでしょう。