事故後ケア

交通事故後に遅れて出る痛み…その原因と対処法

交通事故の直後は「大したことない」と思っていても、数日経ってから首や腰、手足の痛みが現れることがあります。

このような遅れて出る痛みは、事故の衝撃による筋肉や神経の損傷が原因で起こることが多く、適切な処置をしないと後遺症につながる可能性もあります。

本記事では、事故後に遅れて出る痛みの原因や対処法について詳しく解説します。


1. なぜ交通事故後に痛みが遅れて出るのか?

事故後すぐには痛みを感じなかったのに、数時間から数日経ってから症状が現れるのはなぜでしょうか? その理由はいくつかあります。

① アドレナリンの影響

交通事故の直後は、興奮状態にあり、体が「戦うか逃げるか(Fight or Flight)」という防御反応を起こします。このとき、アドレナリンというホルモンが大量に分泌され、一時的に痛みを感じにくくなります。

しかし、時間が経ってアドレナリンの分泌が落ち着くと、本来の痛みが現れるのです。

② 炎症の進行

交通事故による衝撃で筋肉や靭帯が損傷すると、炎症が起こります。

しかし、炎症反応は徐々に進行するため、事故直後には痛みがなくても、数日後に炎症が悪化して痛みを感じることがあります。

③ 筋肉の硬直

事故の衝撃によって、筋肉が緊張し、硬直することがあります。

これが時間の経過とともに血流を悪化させ、痛みを引き起こします。特に、むち打ち症(頸椎捻挫)は事故直後には気づきにくいですが、後から首や肩に痛みやこわばりが出ることがよくあります。


2. 遅れて出る痛みの主な症状

事故後に遅れて出る痛みには、以下のような症状があります。

① 首や肩の痛み(むち打ち症)

首が回らない、肩が重い、頭痛がするなどの症状が現れます。

むち打ち症は、首の筋肉や靭帯が損傷することで起こり、数日後に悪化することが多いです。

② 腰痛

シートベルトで上半身が固定されている一方で、下半身が揺さぶられることで腰に負担がかかります。

事故後に腰の違和感を感じた場合、その後痛みが増すことがあります。

③ 手足のしびれ

事故の衝撃で神経が圧迫されると、手や足にしびれが出ることがあります。

むち打ち症と関連していることもあり、首の状態が悪化すると手のしびれにつながることがあります。

④ めまいや吐き気

むち打ち症によって自律神経が乱れると、めまいや吐き気、耳鳴りといった症状が出ることがあります。

特に、長時間のデスクワークや運転の後に症状が悪化しやすいです。

⑤ 倦怠感や集中力の低下

交通事故後のストレスや衝撃によって、自律神経のバランスが崩れ、慢性的な倦怠感や集中力の低下が起こることがあります。

これは、後遺症として長引くこともあります。


3. 痛みが遅れて出た場合の対処法

痛みが遅れて出た場合、どのように対処すれば良いのでしょうか?

① できるだけ早く医療機関を受診する

事故後、痛みが出たらすぐに医療機関を受診しましょう。

特に、整形外科や接骨院では、交通事故に特化した治療を受けることができます。また、診断書を作成してもらうことで、後々の保険請求や補償の際に役立ちます。

② 安静にする

痛みがある部分を無理に動かさず、できるだけ安静にしましょう。

特に、首や腰の痛みがある場合、自己判断でマッサージやストレッチをすると症状が悪化することがあります。

③ 冷やす or 温める

・事故直後や痛みが強い場合は、氷や冷却シートで患部を冷やす(炎症を抑えるため)。
・数日経って炎症が落ち着いたら、温めて血流を良くする(入浴やホットパックが有効)。

④ 保険会社へ連絡する

交通事故の治療費は、自賠責保険や任意保険でカバーされることが多いため、痛みが出たらすぐに保険会社へ連絡しましょう。

事故後に痛みが遅れて出ることは珍しくないため、しっかりと状況を説明し、適切な補償を受けることが大切です。

⑤ 無理をせずに通院を続ける

痛みがある場合は、早期に治療を始め、定期的に通院しましょう。

特に、むち打ち症や腰痛は慢性化しやすく、適切なリハビリが必要になります。「少し痛いけど大丈夫」と無理をすると、後々後遺症が残るリスクが高くなります。


4. 交通事故後の痛みを防ぐためにできること

① 事故直後は軽い症状でも必ず受診する

事故直後に痛みがなくても、医師の診察を受けましょう。

早期に診断を受けることで、遅れて出る症状を防ぐことができます。

② 事故後の経過を記録する

症状がいつから出たのか、どのように変化しているのかを記録しておくと、医師の診察や保険請求の際に役立ちます。

③ 適切な治療を受ける

接骨院や整形外科で適切な施術を受けることで、痛みの悪化を防ぐことができます。

特に、手技療法や電気治療、運動療法を組み合わせた治療が効果的です。


まとめ

交通事故後、痛みが遅れて出ることは珍しくありません。

アドレナリンの影響や炎症の進行によって、数日後に首や腰の痛み、手足のしびれ、めまいなどが現れることがあります。

こうした症状が出た場合は、自己判断せず、早めに医療機関を受診し、適切な治療を受けることが重要です。

また、保険会社とのやり取りや通院計画をしっかりと立てることで、後遺症を防ぎながらスムーズに治療を進めることができます。

もし交通事故後に違和感を感じたら、放置せずに専門家に相談しましょう!

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