
交通事故に遭った後、被害者が直面する大きな課題のひとつが 「保険会社とのやり取り」 です。
保険会社は加害者側の代理人として交渉を進めるため、適切な対応をしなければ 補償額が減額されたり、治療の打ち切りを促されたり する可能性があります。
本記事では、交通事故後に保険会社とやり取りする際の 重要なポイントと注意点 について詳しく解説します。
1. 保険会社との最初の対応で気をつけるべきこと

事故後、加害者側の保険会社から連絡が来ます。その際、以下の点に注意しましょう。
● 事故の詳細を慎重に伝える
保険会社の担当者は、事故の状況を確認するためにいくつかの質問をしてきます。
しかし、「不用意な発言」 をすると後々不利になる可能性があります。
気をつけるべき発言の例
- 「大したことありません」 → 事故直後は興奮状態にあり、痛みを感じにくいことがあります。翌日以降に痛みが出ることもあるため、軽々しく「大丈夫」と言わないようにしましょう。
- 「私にも過失があるかもしれません」 → 事故の責任割合は専門家が判断するものです。自己判断で過失を認めると不利になることがあります。
● 記録をしっかり残す
保険会社とのやり取りは、後の補償交渉に大きく影響します。
会話の内容はすべて メモや録音 しておきましょう。
特に重要なポイント
- 担当者の名前・連絡先
- 交渉の内容(補償範囲、治療方針など)
- 提示された条件や期限
2. 治療の進め方についての注意点

● 保険会社が治療期間を短縮しようとする
保険会社は 「治療費の支払いをできるだけ抑えたい」 という立場にあります。
そのため、まだ症状が残っているのに 「そろそろ治療を終わりにしませんか?」 という打診をしてくることがあります。
対策
- 医師の診断を優先 し、まだ治療が必要な場合は 医師に「治療継続が必要」という診断書を書いてもらう。
- 無理に治療を打ち切らず、しっかり通院する。
● 交通事故の後遺症はすぐには出ないこともある
事故直後は問題なくても、数日〜数週間後に むち打ち症状 や 頭痛、しびれ が出てくることがあります。
しかし、早い段階で治療を打ち切ると、後遺症が残った際に 保険会社に追加の補償を求めにくくなる ので注意が必要です。
3. 慰謝料・補償金に関する注意点

● 保険会社の示談金提示額は「低め」に設定されている
保険会社は、最初に提示する示談金の金額を できるだけ低く抑える傾向 があります。
提示された金額を そのまま受け入れるのではなく、一度しっかり確認しましょう。
確認すべき補償内容
- 治療費:通院費、薬代、リハビリ費用などが全額補償されているか
- 慰謝料:事故による精神的苦痛に対する補償額が適切か
- 休業補償:仕事を休んだ場合の補償が含まれているか
- 後遺障害認定:後遺症が残る場合、適正な補償が受けられるか
● 慰謝料の計算方法
交通事故の慰謝料は、自賠責基準・任意保険基準・弁護士基準 の3つの基準で計算されます。
保険会社は 任意保険基準(低めの基準) で計算することが多いため、弁護士に相談すると より高額な慰謝料を受け取れる可能性があります。
4. 保険会社との交渉を有利に進めるための対策

● できるだけ多く通院する
慰謝料は 「通院日数」 によって大きく変わります。
仕事が忙しいからといって通院をサボると、慰謝料が減額される可能性があるので注意しましょう。
ポイント
- 最低でも週2〜3回は通院する
- 症状が軽くても継続的に治療を受ける
- 痛みがある場合は毎回医師に伝える
● 書類をきちんと管理する
保険会社とのやり取りでは、多くの書類が必要になります。
紛失すると補償が受けられなくなる可能性があるため、すべての書類をコピーして保管しておきましょう。
特に大事な書類:
- 診断書
- 治療費の領収書
- 通院履歴
- 事故証明書
5. まとめ
交通事故後の保険会社とのやり取りには、さまざまな 注意点 があります。
特に、保険会社は できるだけ補償額を抑えようとする傾向 があるため、適切な対応をすることが重要です。
ポイントのまとめ
✅ 不用意な発言を避ける(「大丈夫」と言わない)
✅ 治療費の打ち切りを受け入れない(医師の診断を優先)
✅ 示談金の提示額をすぐに受け入れない(補償内容を確認)
✅ 通院を継続する(慰謝料を減らさないため)
✅ 書類をしっかり管理する(診断書や領収書を保管)
もし保険会社の対応に不安がある場合は、弁護士に相談 するのもひとつの方法です。
適切な知識を身につけ、交通事故後の補償をしっかり受け取れるようにしましょう!