
交通事故に遭った際、見た目にはケガがない場合や、軽い違和感しか感じない場合でも、「病院に行くべきか?」と迷うことがあるでしょう。
しかし、適切なタイミングで医療機関を受診しないと、後になって思わぬ後遺症が出たり、保険会社とのトラブルにつながったりする可能性があります。
本記事では、交通事故後の医療機関受診の適切なタイミングや注意点について詳しく解説します。
1. 交通事故直後に受診すべき理由

① 事故直後はアドレナリンの影響で痛みを感じにくい
交通事故に遭うと、身体は興奮状態となり、アドレナリンが分泌されます。これにより、一時的に痛みを感じにくくなることがあります。事故直後は「大丈夫」と思っていても、数時間後や翌日になってから痛みが出るケースは少なくありません。
そのため、 事故直後の段階で、たとえ違和感がなくても病院を受診することが重要です。
② 目に見えないケガの可能性
交通事故によるケガは、 骨折や外傷だけでなく、むち打ち症や内臓損傷など、外からは分かりにくいものもあります。
例えば、首や背中のむち打ちはレントゲンでは異常が見つかりにくいため、MRI検査などが必要になる場合もあります。
事故直後に異常が見つからなくても、医師に診てもらい、必要に応じて詳しい検査を受けることが大切です。
③ 診断書の取得
交通事故によるケガの治療費や慰謝料を請求するためには、 医療機関での診断書が必要 になります。
事故から時間が経ってしまうと、「本当に事故によるケガなのか?」と疑われ、保険会社が補償を認めないこともあります。
早めに受診して診断書を発行してもらうことで、後の手続きがスムーズになります。
2. 受診のタイミングごとの注意点

① 事故当日
最も理想的なのは、事故当日に受診することです。 たとえ痛みがなくても、念のために医療機関で診察を受け、異常がないか確認してもらいましょう。
② 事故翌日以降
事故当日は平気だったのに、翌日になってから 首の痛みや頭痛、めまいなどの症状 が出ることもあります。
この場合も、できるだけ早く医療機関を受診し、「交通事故による症状」として診察を受けることが重要です。
③ 事故から1週間以上経過してから
1週間以上経ってから受診すると、「本当に交通事故が原因の症状なのか?」と保険会社に疑われる可能性が高くなります。
保険会社から治療費の支払いを拒否されることもあるため、 違和感がある場合はできるだけ早く医療機関を受診しましょう。
3. 受診する医療機関の選び方

① 総合病院や整形外科
まずは整形外科や総合病院で診察を受けましょう。 交通事故の診断書を発行してもらうためには、医師の診察が必要です。
むち打ち症などの症状が疑われる場合、 レントゲンやMRI検査を行い、より詳しく状態を確認することができます。
② 接骨院・整骨院
整形外科で診断を受けた後、リハビリとして 接骨院や整骨院で施術を受ける ことも可能です。ただし、 最初に整形外科などの医療機関を受診し、診断書を取得しておくことが大前提です。
先に接骨院へ行ってしまうと、保険会社が補償を認めないケースもあるため、注意しましょう。
4. 受診後の注意点

① 症状が変わったらすぐに医師に相談する
交通事故によるケガは、時間が経つにつれて症状が変化することがあります。
例えば、 最初は首の痛みだけだったのに、数日後に肩こりや腕のしびれが出る こともあります。こうした場合は、 早めに医師に相談し、適切な治療を受けることが大切です。
② 保険会社とのやり取りを記録する
事故後の治療費や慰謝料の請求には、保険会社とのやり取りが重要になります。
受診日や治療内容、症状の経過などをメモしておくと、後々の手続きがスムーズになります。 保険会社から「治療を打ち切るように」と言われた場合も、痛みが続いているなら医師に相談し、必要な治療を継続することが大切です。
③ できるだけ継続して通院する
交通事故によるケガの治療は、 通院頻度が慰謝料にも影響します。
例えば、週1回の通院よりも週3回通院する方が、しっかり治療を受けていると認められやすくなります。
また、長期間通院しなかった後に再び通院すると、保険会社が「本当に事故の影響なのか?」と疑う可能性があるため、 できるだけ定期的に通院することが重要です。
まとめ
交通事故後の医療機関の受診タイミングについて解説しました。
事故直後は痛みを感じにくいことも多いため、たとえ軽傷でもすぐに受診することが重要です。 また、症状が遅れて出た場合も、できるだけ早く医療機関を受診し、事故との因果関係を証明できるようにしましょう。
交通事故後の受診で大切なポイント:
✔ 事故当日に受診するのが理想
✔ 痛みが遅れて出ることもあるので注意
✔ まずは整形外科などの医療機関で診察を受ける
✔ 診断書を取得し、適切な治療を継続する
✔ 保険会社とのやり取りを記録する
事故後の適切な対応が、今後の健康や補償に大きく影響します。迷ったらすぐに医療機関を受診し、適切な治療を受けましょう。