事故後ケア

交通事故のケガが完治したかどうかを判断する基準とは?

交通事故に遭い、治療を続けてきたものの、「もう治療を終えてもよいのか?」「完治したと判断していいのか?」と悩む方は多いでしょう.

痛みや違和感がなくなったとしても、本当に回復しているのか不安を感じることもあります。

本記事では、交通事故によるケガが完治したかどうかを判断するための基準について詳しく解説します。


1. 完治とは?「治癒」と「症状固定」の違いを理解しよう

まず、「完治(治癒)」と「症状固定」は異なる概念であることを理解する必要があります。

  • 完治(治癒)
    事故前の状態に完全に戻り、痛みや違和感がなくなった状態。治療の必要がなく、日常生活に支障をきたさないレベルに回復している。
  • 症状固定
    これ以上治療を続けても症状の改善が見込めない状態。多少の痛みや違和感が残っていても、回復の見込みがないと医師が判断した場合、症状固定とされる。

完治を目指す場合、基本的には 「痛みが完全になくなる」「機能が回復する」「日常生活に問題がない」 という3つの要素を満たすことが重要になります。


2. 完治を判断するためのポイント

痛みや違和感が完全になくなっているか?

交通事故のケガでは、初期の痛みが引いた後も「少し違和感が残る」「天気が悪いと痛みが出る」といったケースがあります。

こうした症状が残っている場合は、まだ完治とは言えません。

  • じっとしている時だけでなく、動作時に痛みがないか確認する
  • 日常の動作(歩く、走る、階段を上る、しゃがむ、物を持つなど)をしてみて、違和感がないか確認する。
  • 気温や湿度の変化で痛みが出る場合も、完治ではない

医師の診断を受ける

自己判断で「もう大丈夫」と思っても、医師の診断を受けることが重要です。

医師は、レントゲン・MRI・CTなどの画像検査や触診を通じて、体の状態を詳しく診断できます。

痛みがなくても、筋肉の炎症や関節のダメージが残っていることがあるため、最終的な診断は医師に委ねるのが安心です。

関節の可動域が正常に戻っているか?

事故の影響で関節が硬くなったり、動かしにくくなったりすることがあります。特に、首・肩・腰・膝などは、日常生活でよく使う部位なので、慎重にチェックしましょう

  • 事故前と同じようにスムーズに動かせるか?
  • 左右で動きに違いがないか?
  • 痛みを感じずにストレッチできるか?

こうしたチェックを行い、違和感が残っている場合は、治療を継続することをおすすめします。

日常生活に支障がないか?

仕事や家事、趣味の活動などが事故前と同じようにできるかをチェックします。

  • デスクワークで長時間座っても違和感がないか?
  • 重い荷物を持ったり、立ち仕事をしても大丈夫か?
  • スポーツや趣味の活動をしても痛みがないか?

日常生活において、痛みや違和感を感じる場合は、完治していない可能性があります。

天候や気温の変化で症状が悪化しないか?

交通事故の後遺症として、「雨の日に痛みが出る」「寒いと関節が固まる」といった症状が残ることがあります。

これは、神経や関節のダメージが完全に回復していないことが原因である場合が多いです。

こうした症状がある場合、まだ治療を続けるべきでしょう。

再発しやすいかどうか?

一時的に痛みが引いたとしても、運動やストレスが加わると再発する場合は、治療を継続するのが望ましいです。

例えば、軽く運動をしただけで痛みが出る、疲れると肩が張るなどの症状がある場合は、まだ完治とは言えません。


3. 完治後も注意すべきポイント

① 体のメンテナンスを継続する

完治したと思っても、事故の影響で筋肉のバランスが崩れていることがあります。

整体やストレッチ、軽い運動を続けることで、再発防止につながります。

② 事故後しばらくして症状が出ることもある

事故直後は痛みを感じなくても、数ヶ月経ってから症状が出るケースもあります。

特に、むち打ち症などは時間が経ってから痛みが出ることがあるため、定期的なチェックが重要です。

③ 保険会社とのやりとりに注意

保険会社は「完治した」と判断すると、治療費の支払いを打ち切る可能性があります。

しかし、自己判断で治療を終えてしまうと、後から症状が出たときに補償を受けられなくなる場合があるため、慎重に判断することが重要です。


まとめ

交通事故のケガが完治したかどうかを判断するには、以下のポイントを総合的に確認しましょう。

痛みや違和感が完全になくなっているか?
医師の診断を受けたか?
関節の可動域は正常か?
日常生活に支障がないか?
天候や気温の変化で症状が悪化しないか?
再発の可能性がないか?

事故後のケガは、自己判断で完治したと決めつけるのではなく、医師と相談しながら慎重に判断することが大切です

無理に治療をやめてしまうと、後々後遺症が残ることもあるため、しっかりと回復を確認してから治療を終了するようにしましょう。

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